エスプレッソの話題になるとクレマという単語をよく聞きますよね。
クレマとは一体なんなのか、今回はクレマの正体と存在意義を説明していきます^^
クレマとは
クレマはエスプレッソを抽出した際に、エスプレッソの表面に浮き上がる泡のことです。
エスプレッソを作ってクレマが綺麗に現れることで、上手に抽出できたと言われます。
真っ黒い色のイメージがあるエスプレッソですのでクレマを知らないと、泡のせいで綺麗な黒色のエスプレッソが抽出できない、失敗した・・・と思ってしまうのですが、それは間違い。
基本的にクレマが浮き出るのは良いエスプレッソと考えられているのです。
クレマが現れると美味しい?
なぜクレマがあると良いエスプレッソなのでしょうか。
その理由はクレマがでてくる仕組みにあります。
クレマの泡の正体
クレマの泡は実は炭酸ガスなんです!
コーヒー豆は中に炭酸ガスの成分が含まれており、熱いお湯を加えることで外にガスが排出されます。
フィルターコーヒーを作ったことがある人は、お湯をかけたそばからプクプクと豆が膨らんでくるの を見たことがありますよね。あれは豆からガス(空気)が発生してるからなんです。
エスプレッソもガスで豆が膨らむの?
いいえ、エスプレッソはコーヒー豆がガスで膨らむことはありません!
それはエスプレッソの作り方に答えがあります。
エスプレッソを作る簡単な手順▽
- バスケットに豆を詰める
- 豆をマシンに押し付けるようにセットする
- 約9気圧のお湯でエスプレッソを抽出する
エスプレッソの場合はフィルターコーヒーと違って、バスケットの中に詰めたコーヒー豆が膨らむことはなく、抽出されたエスプレッソ(液体)からガスがでてきます。
エスプレッソを作る時にギュッと豆を押しつぶすので、バスケットの中でコーヒー豆が膨らむスペースがないのですね。それによって、豆のガスは高い圧力で抽出されるお湯の中に溶け込む仕組みになっています。
そしてエスプレッソの中に入ってきたガスは、液体よりも軽いので表面に浮上します。
このガスが泡となって現れるのがクレマです。
クレマで美味しさが見分けられる
クレマが出るのは、つまりコーヒー豆からガスが出ている。
そしてガスがでる豆は美味しいコーヒーが作れるんです。
なぜかと言うと、コーヒー豆は新鮮なものほど中にガスを保有しています。コーラとかと一緒ですね、炭酸ジュースも時間がたつとガスが抜けてしまいますよね。
コーヒー豆は鮮度が落ちると、雑味やえぐみが出てきて美味しいコーヒーになりません。食品は基本的に鮮度が良ければ良いほど美味しい!
コーヒーを自宅で作る人なら経験あるかと思いますが、封を開けたばかりのコーヒー豆と数週間たった最後の方のコーヒー豆ってまったく味わいの違ったコーヒーになりますよね。
こう考えよう!▽
クレマが出現すると美味しいのではなく、美味しいからクレマが出現する
クレマが発生しない原因
先ほど説明したように鮮度の良いコーヒー豆に含まれるガスがクレマの正体です。
しかし、新鮮なコーヒー豆なのにクレマがでてこない場合もあります。
それは、エスプレッソを抽出する際のセット状況に理由があり、セットに失敗するとクレマが全然浮き上がってこない、クレマの層が薄いなんてこともあるんです。
その原因の多くは、お湯の抽出時間が短いこと。
短い抽出時間だと、例え高圧のお湯であってもガスが液体に溶け込む間もなく、ただただお湯が流れ落ちていきます。
お湯の抽出時間が短くなる要因
- マシンの抽出時間の設定が短い
- タンピングが弱い
- タンピングが垂直に出来てない
- 豆の量が少ない
- 豆の挽き具合が足りない(粒が大きい)
こんな感じでエスプレッソって油断するとすぐに失敗します。
一つずつ解決していきましょう。
クレマを綺麗に作るには
エスプレッソマシンの抽出時間を正しく設定する
家庭用のエスプレッソマシンを買うと抽出時間が大体20秒前後に初期設定されています。
20秒が絶対に正しい時間なのではなく、コーヒー豆の状態や自分のタンピングの強さ加減などによってちょうど良い抽出時間は変わってきます。
まずは初期設定で色々やってみて、それでも上手にエスプレッソが抽出できなければ時間を変更してみましょう。
タンピングの強弱を把握する
エスプレッソは約9気圧のお湯で抽出するので、豆も同じように圧力をかけてバスケットにギュッと詰めると良い感じに抽出できます。
タンピングの強さは、一般に10〜15kg程度の重さが基本値です。
どれくらいの力加減なのか分からない人は、はかりの上をギュッと押して測ってみましょう。
Youtubeなどの動画でバリスタが手際よくサッとタンピングしているのを見ると、そんなに力かかってなさそうに見えますよね。動画の見よう見まねで、軽くハンコを押すようにタンピングしていた筆者は、力加減が全然足りないことにしばらく気づきませんでした・・・
自分の筋力を数値で測ることは大切ですよ!
レベリングをきっちりする
タンピングをする前にバスケットに入れたコーヒー豆をまっすぐ垂直で平坦な面にすることをレベリングと呼びます。
こうすることで、お湯が豆を通過する時に均等に行き渡るので、味のばらつきがなく綺麗に抽出されます。
例えば、コーヒー豆が斜めに詰まっているとしましょう。すると、ある部分ではお湯の通過する距離(豆の深さ)が短く、また別の部分では逆にお湯が通過する距離が長くなります。そうなると一部の箇所では抽出時間が短くなってしまい、味にバラつきが出るだけではなくクレマも出にくくなるんですね。
コーヒー豆の量を調整する
エスプレッソを作る時にどうやってコーヒー豆の量を計っていますか?
大抵の人はエスプレッソマシンを買った時に最初から付属している計量スプーンでやってると思います。
ですが、コーヒー豆は体積で計るよりもグラムなどの重さで計ると、より良質なエスプレッソの抽出が可能なんです。
というのも、体積だと豆の挽き具合で量が違ってくるし、すりきりはどうしても目分量に頼ってしまうのであまり正確に測れません。よって、重さが重要になるわけですね。
欲を言えば、0.1gの小数単位で計量できる機器が便利!
1g単位だと1.0gも1.9gも同じ表記になってしまいますから。数百グラムの物を計るなら良いかもしれませんが、コーヒー豆など少ない量だと0.9gの差は結構な違いが生じます。
0.1g単位で計れるタニタの最強デジタルスケールが筆者のオススメ▽
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使用しているコーヒー豆の量を正確に把握できれば、お湯の抽出時間も容易に調節しやすい。
豆の量が多いとバスケットの中の密度が狭く、お湯が出にくい(抽出時間が長い)、量が少ないとバスケットの中身がスカスカで、お湯が出やすい(抽出時間が短い)ことになります。
コーヒー豆の挽き具合を調整する
コーヒー豆の挽き具合(粒の大きさ)も抽出時間に関わってきます。
理由はコーヒー豆の量と同様で、バスケットの中の密度ですね。
粒が大きいと強くタンピングしても豆が綺麗に詰まらず、バスケットの中身がスッカスカ。粒が小さいとちょっとタンピングしただけでみっちりと詰まってしまいます。
ラテアートはクレマが重要
ラテアートには、ミルクをスチームすることで出来るフォームミルクとスチームミルク、そしてクレマが必要となります。
エスプレッソの表面にできたクレマがフォームミルクを浮かせる役目をしているんですね。その浮かせたミルクでハートやリーフを描くことができます。
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ラテアートを初心者が簡単に作る方法
まとめ
- クレマはコーヒー豆のガスから作られた泡
- 新鮮な豆ほどクレマがでる
- クレマを上手に作るにはコツが必要
- ラテアートにはクレマが必須
エスプレッソを作れば必ずクレマができるわけではないのですね。
まだエスプレッソを作るのに慣れていない人は、まず綺麗なクレマができることを目標にしてみましょう!